まず、いつから困っているかで考える
突然、または脳卒中・頭部外傷の後から困り始めた場合は、救急外来、脳神経内科、脳神経外科などが相談先の候補になります。幼少期から一貫して困っている場合は、脳神経内科や、神経心理・高次脳機能を扱う専門外来などが候補です。子どもの生活や学校での困難であれば、まず小児科や発達相談窓口に相談し、必要に応じて専門機関につないでもらう方法があります。
受診前に電話で確認を
どのように評価するのか
発達性相貌失認には、世界的に統一された単独の診断基準がまだありません。問診で生活上の困難と発症経過を確認し、顔の記憶や識別を測る課題、既知人物の顔を認知する検査などを組み合わせて評価します。必要に応じて視力、一般的な記憶、物体認知、脳画像なども確認します。
評価ではまず、いつから、どんな場面で困るかという生活歴を確認します。そのうえで、PI20などの日常的な困難を尋ねる質問紙、Cambridge Face Memory Test(CFMT)などの顔記憶課題、VPTAなどに含まれる既知相貌・未知相貌の評価を組み合わせ、ほかの視覚認知・記憶の問題では説明できないかを確認します。
PI20は診断テストではない
PI20は20項目の自己報告尺度で、顔認識に関する日常の経験を整理する助けになります。ただし点数だけで診断はできません。自己評価と客観的な顔認識成績が一致しない人もいるためです。
名前記憶研究所のセルフチェックも、受診の必要性を判定する医療行為ではありません。結果とともに「困った具体例」「始まった時期」「使っている手がかり」をメモしておく用途で利用してください。
相談先を探すときの手がかり
「高次脳機能障害」「神経心理検査」「認知機能外来」などの語で地域の医療機関を探す方法があります。国立障害者リハビリテーションセンターは、各都道府県の高次脳機能障害相談窓口も公開しています。ただし、発達性相貌失認を対象にするかは窓口ごとに確認が必要です。
参考文献・情報源
以下の著者名・機関名は、掲載内容の出典を示すものです。本記事の監修・推薦を受けたことを意味しません。
- 01Susilo & Duchaine (2016) — Developmental prosopagnosia diagnosis review
発達性相貌失認の定義と診断上の論点を整理。
- 02大石如香ら(2024)— 発達性相貌失認の評価におけるPI20の位置付け
PI20、VPTA、CFMTを組み合わせた評価を検討。
- 03国立障害者リハビリテーションセンター — 相談窓口一覧
都道府県別の高次脳機能障害に関する支援拠点・相談窓口。
- 04NHO東京病院 — 脳神経内科・高次脳機能障害専門外来
専門外来への受診経路の一例。
本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断や治療に代わるものではありません。サイト全体の文献一覧は参考文献ページをご覧ください。